この順番で読むとカレー裁判の全体像がつかみやすいです。適当につまみ読みしても面白いです。完成した記事はぜんぶここに並べてあります。

そのころ私は、長野県の地方紙で記者をしていました。96年10月の入社ですから、ホース水まき映像のときは入社2年弱でした。警察担当を上がって、松本の検察や裁判所を担当しつつ、地域面をうめる暇ネタを書いていました。いそがしく働く反面、

2009カレー最高裁判決は、異例にも事実認定に踏み込んだ。そこで認定された異同識別、頭髪ヒ素、犯行機会、目撃証言の４つをさらっと見てみよう。

カレー有罪の要諦は「異同識別」と「犯行機会」の合わせ技だ。「ヒ素の同一性」と「お昼のガレージ」を崩せば再審開始が見えてくる。

ヒ素の「同一性」の証拠価値を支える「希少性」。これを守るのに検察と裁判所がどれだけ必死になったかを見てみよう。

ヒ素の混入はガレージか夏祭り会場かどちらかだ。裁判所はガレージと断定したが、夏祭り会場を否定する根拠は実は弱いのだ。

様ざまな噂が飛びかうカレー真犯人。実は弁護団が再審請求のさいに提示していた。カレーの給仕もした当時66歳の女性だ。夫の前職からヒ素との接点も浮かぶ。

ヒ素の混入に使われたとされる「青色紙コップ」は捏造の疑いが濃厚だ。「青かった」のは科捜研にあったときだけ。青色紙コップの不自然さの陰に科捜研ありだ。

「動機がない」と言われるカレー事件。確定一審の論告から判決をたどると、驚くべき経緯が明らかになる。当時の検察の苦悩が目にみえるようだ。

「罪と罰」なみに長い2002確定一審判決がコンパクトにまとまった結論部分です。赤「　」内です。

夏祭り会場での混入機会はほんとうになかったのか。判決文を読み込めば矛盾が見えてくる。